竹短繊維(マイクロファイバー)の製法と特徴
竹を常圧の過熱水蒸気(Super Heated Steam,SHS)(210℃)で処理すると、ヘミセルロースが選択的に分解されて、簡単に微粉砕できるようになります。これを250μmの篩に通したものが竹マイクロファイバー(マイクロウィスカー)で、アスペクト比10程度の針状の粉末を得ることができます。この形状はセルロースがマイクロウィスカーを形成したもので、その表面を一部溶解したリグニンが覆っているものと推察されます。
この竹短繊維をPE,PPなどのプラスチックにブレンドしたコンポジットは、以下の特徴を持っています。
竹/プラスチックコンポジットの特徴と優位点
▇ 成長が速く、サスティナブルなバイオマスである竹が原料
▇ 易成形性 竹粉30%:複雑な射出成形可能 50%以上:押出成型に適する
▇ 軽量 ガラス(GFRP)などと比較して軽量
▇ 高強度 相溶化剤の存在により、特にシャルピー衝撃強度の向上(約3倍に)
▇ 寸法安定性 短繊維配向方向の線膨張率はPPの4分の1
▇ 帯電防止性 表明抵抗値10の16乗オームから10の10~12乗オームへ
▇ その他 低吸水性、リサイクル可能、経済性(安価)
▇ さらに、厄介者の竹(放置竹林)の問題を解決する。
竹短繊維(マイクロファイバー)の用途
ナノ解繊法の開発